高いスーツは長持ちするのか?【大切なスーツを長く着る為に】

初心者の疑問・お悩み相談室

「高いスーツを買ったのに、思ったより早く傷んでしまって残念だった」
そんな声をお客様から聞いたことがあります。せっかく奮発して選んだ一着なのに、長持ちしないのはショックですよね。

多くの人が「高いスーツ=長持ちする」と考えがちですが、実際にはそう単純ではありません。値段に比例して耐久性が上がるわけではなく、むしろ高級スーツほど繊細で扱いに注意が必要な場合もあります。

この記事では、「高いスーツは本当に長持ちするのか?」という疑問に、接客の経験を交えながら分かりやすく解説していきます。

幾らから高いスーツに該当するかは、人によって異なる為今回は敢えて定義しません!

結論:スーツの持ちは値段に比例しません!

高いスーツは必ずしも長持ちしません。値段とスーツの耐久性は比例せず、むしろ高級スーツほど繊細でデリケートな場合があります。

なぜ高いスーツは長持ちしないのか、理由と対策をまとめてみました。
一つずつ整理していきましょう。

長持ちしない理由①着用頻度が高い

高級スーツに限らずですが、スーツが短期間でダメになってしまう原因ナンバー1はズバリ「着用の頻度」である事が多いです。
お気に入りのスーツは毎日でも着たくなる気持ちは非常にわかります!

ですが、そこは気持ちをぐっと抑えて労わってあげましょう。

対策:週に1回くらいの着用が理想

店頭で多くのお客様と会話を重ねてきて感じるのは、スーツが長持ちしている人ほど着用頻度が低いということです。肌感覚として、持ちがいい方は多くて週1回くらいの着用に抑えている印象です。毎日のように着れば、どんなに高いスーツでも消耗は避けられません。

長持ちしない理由②高級スーツはデリケート

高級と呼ばれるスーツほど、生地の素材となるウールの繊維が細かいものを使用していることが多いです。

繊維やそれで紡いだ糸が細ければ細いほど肌触りの良さや見た目の高級感につながりますが、その分デリケートさも比例します。

対策:思い入れのあるスーツはたまに着る

上記理由①と②を踏まえると

  • 着用頻度が高いほど摩耗が進みやすい
  • 高級スーツほど繊細な事が多く寿命に影響しやすい

思い入れのある長く着たいスーツであればあるほど、ここぞ!という場面で着用する様にしましょう。

長持ちしない理由③季節ごとに分けていない

何となくオールシーズンのスーツを購入していませんか?
スーツの消耗が早い原因は、何となくオールシーズンのスーツを買ってしまっている事にあるかもしれません。

特に汗をかきやすい夏場の着用はスーツを傷めやすく、破れや擦れなどのトラブルが多発するシーズンです。

対策:春夏・秋冬でスーツを着分ける

理由③を踏まえると、春夏の季節に着るスーツと秋冬に着るスーツで季節ごとに分けてスーツを準備するのが私のおすすめです。
特に夏場は通気性の良いスーツを準備し、なるべく快適に過ごしましょう。

長持ちしない理由④TPOに応じて着分けていない

スーツは「いつも同じものを着る」ではなく、「シーンに応じて着分ける」ことで寿命が大きく変わります。
たとえば──

  • 大事な会議や商談の日
  • ゲストとしての結婚式や七五三の場面
  • スーツを着ての軽作業や動きが多い日

こうしたTPO(Time, Place, Occasion)に合わせて、スーツを使い分けていますか?

実際、スーツの消耗が早い方ほど「どんな場面でも同じ様なスーツを着てしまう」傾向があります。高級なウールスーツを毎日のように酷使してしまえば、当然傷みも早くなります。

対策:シーンに応じて”着分け”を意識する

  • ここ一番の場面(商談や式典など)
    →ウールやシルク素材の高級感ある「とっておきの1着を
  • 動きが多い日、作業等がある日
    →ナイロンやポリエステル素材のセットアップがおすすめ。
     耐久性が高く汚れやしわに強いです。
    この機会に動きやすいビジネスカジュアルに挑戦してみませんか。

このように、スーツを“着分ける”意識を持つだけで、1着1着の寿命はぐっと伸びます。
「高級スーツはここぞという場面で」「普段使いは耐久性重視で」──そんな使い分けが、賢いスーツライフの第一歩です。

さいごに:結局はどれだけ思い入れがあるか

スーツに限らず、物の持ちは結局はどれだけ思い入れがあって、大切に使っているかに尽きると思います。

高価なものでも、手頃なものでも、
自分にとって「特別な一着」だと感じられれば、自然と丁寧に扱うようになりますよね。

スーツ店のフィッターとして、
お客様がそのスーツを着るたびに「この一着、やっぱりいいな」と思い出せるような、
スーツを作るお手伝いをしたい。改めて、そう感じました。

もちろん、気持ちだけではどうにもならないこともあります!
だからこそ、ブラッシングや陰干しなどのケアも忘れずに。

特にブラッシングはスーツの繊維の間に入り込んだほこりを取り除いたり、生地の毛並みを整える効果があります。
スーツを大切に長く着る為に、行っていただきたいです。

洋服ブラシを使いましょう!

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