はじめに
ジャケットの印象を左右する要素のひとつが「ポケット」です。
普段あまり意識されない部分ですが、種類や形によってフォーマルさやカジュアルさ、さらにはスタイルの見え方まで変わってきます。今回は代表的なジャケットのポケットの種類についてご紹介します。
フラップポケット
フラップポケットとは
「フラップポケット」はジャケットの腰ポケットとしては最も一般的な仕様です。
名前の通りフラップ（フタ）が付いたデザインです。
屋外で雨や埃からポケットの中身を守る為にフラップ付のデザインが普及しました。
写真の様に水平の物が一般的です。
屋外でジャケットを着用する際はフラップは外に出した状態。
屋内で着用する際はフラップをポケットの中にしまった状態が本来は正しい着方です。
フラップポケットはこんな方におススメ！
フォーマルスーツはフラップなしのポケット
フラップは本来、屋外で雨や埃からポケットの中身を守るための実用的なパーツです。
礼服やタキシードなどのフォーマルなものは屋内で着用することが多いため、フラップは不要とされ、シンプルな「玉縁ポケット」が選ばれます。
フラップ付きポケットは日常のスーツには便利ですが、フォーマルなスーツはシンプルなフラップ無しポケットを選ぶことで、より格調高く、正しい着こなしになります。
玉縁ポケットはジャケットの腰ポケットを生地で縁取ったポケットです。
「余計な装飾を省いたシンプルなポケット」で、礼服やフォーマルなジャケットに使われます。
フラップポケットのフラップをポケット内側にしまい込んだ状態と見た目は同じですが、フォーマルスーツにおいては最初からフラップはつけない「玉縁ポケット」が正しい状態です。
スラントポケット
スラントポケットとは
写真のジャケットの様にフラップポケットが地面に対して水平ではなく斜めについたタイプを「スラントポケット」と呼びます。
乗馬をする際に物の取り出しがしやすい様にと普及したデザインです。
落ち着いたクラシックな雰囲気のスーツと相性が良くておすすめです。
ウエストラインをシャープに見せる効果もあります。
スラントポケットはこんな方におすすめ！
チェンジポケット
チェンジポケットとは
右の腰ポケットの上に付けられる小さめのポケットをチェンジポケットと言います。
元々は小銭やチケットを入れる為に作られたポケットです。
チェンジポケットは和製英語で本来は「Ticket pocket」と呼ばれます。
チェンジポケット単体で付けられる事はなく、フラップポケットもしくはスラントポケットと組み合わせて付けられるオプション仕様である事が一般的です。
チェンジポケットはこんな方におすすめ！
パッチポケット（アウトポケット）
パッチポケットとは
パッチポケットとは、写真の様にジャケット本体に別布を縫い付けた仕様のポケットです。
アウトポケットと呼ばれる事も多く、フラップポケット、スラントポケットに比べスポーティでカジュアルな印象が特徴的です。
カジュアルなジャケットやスーツに付けられる事が多いです。
写真は私のお気に入りのツイード生地のジャケットです。
パッチポケットはツイードジャケットの様なカントリーなスタイルにもピッタリでおすすめです。
パッチポケットはこんな方におすすめ！
最後に：ポケットはデザインとして楽しみましょう
ここまでジャケットのポケットの種類について解説してきましたが、実際にスーツを美しく着こなすためには「ポケットをなるべく使わないこと」が大切なポイントになります。
ポケットに物を詰め込んでしまうと、生地が膨らんでシルエットが崩れ、不自然な印象になりがちです。せっかくのこだわりが詰まったスーツも台無しになってしまいます。
スーツを着る際は、ポケットに入れるものを最小限に抑え、スマートなシルエットを保つことを意識しましょう。そうすることで、ジャケットシルエットの美しさが際立ち、より洗練されたスーツスタイルを楽しむことができます。
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