スーツは「着るだけ」ではなく「育てる」もの。
日々のちょっとしたケアが、清潔感・風合い・型崩れ防止につながり、結果的に長く愛用できる一着になります。今回は、スーツケアの基本である「ブラッシング」「保管方法」「クリーニング頻度」について、分かりやすく解説します。
① 着用後のブラッシングで“清潔感”と“風合い”をキープ
スーツは皮脂や花粉、ほこりなど目に見えない汚れが付着しやすいです。
そのまま放置すると生地のくすみ、擦れ、虫食い、カビなどの原因となります。
人間でいう歯磨きと同じです。毎日の汚れを落として、長く着る為に毎日行っていただきたいです。帰宅後の数分だけブラッシングを行えば十分です。
ブラッシングの方法

まず必要な物は馬毛のブラシです。
手順①:まずはポケットの中のものを全て取り出しましょう。
手順②:ブラシを使い、下から上にスーツの生地の繊維を立て、ほこりを掻き出すイメージでブラシを充てていきましょう。手首のスナップを効かせながら丁寧に行ってください。

手順③:②とは逆で、上から下に繊維を整えるイメージでブラッシングをしましょう。
以上、ブラッシングの工程です。
これをスラックスも含め全体的に行っていきます。
スーツのラペル(えり)の裏も忘れずに。
この様に毎日スーツと向き合うだけでも、愛着が増して大事に着たくなりますよ。
② 保管方法で“型崩れ”と“湿気”を防ぐ
スーツは保管の仕方ひとつで、型崩れや虫食いのリスクが大きく変わります。
特にウール素材は湿気や圧迫に弱いため、収納環境の見直しが重要です。
長期保管時のポイント
- 肩幅に合った、厚みがあるハンガーを使用しましょう
- ポケットの中身はすべて取り出してから掛ける
- クローゼット内はスーツ同士の間隔を空けて、通気性を確保
- スーツカバーは通気性のある不織布タイプを選ぶ(ビニールは湿気がこもる)
ワイヤーハンガーは型崩れの原因になるので注意しましょう。出来れば木製のハンガーをご用意いただきたいです。
③ クリーニングは“頻度”と“タイミング”が重要
スーツは頻繁にクリーニングに出すと、生地が傷みやすくなります。
とはいえ、汗や汚れを放置するとニオイや虫食いの原因にもなるため、適切なタイミングでのケアが必要です。
クリーニングの目安
- シーズン終わり(春夏、秋冬の切り替えのタイミング)
- かなり汗をかいた日や雨に濡れた日
- 年に2〜3回程度で十分(着用頻度によって調整)
クリーニングに出す回数はシーズン終わりに1回くらいで十分です。
たまに毎週の様にクリーニングに出す方もいらっしゃいますが、風合いが損なわれ、ダメージの原因になります。
スーツを長く愛用する為には出し過ぎは要注意です。
明らかに汚れた場合や、スーツが濡れるくらい滝のように汗をかいた場合は出してもいいと思います。
ウォッシャブルスーツではない限り、間違っても自宅の洗濯機では洗わない様にしましょう。
クリーニングの代わりのケア
- ブラッシング(冒頭の通り)
- スチーマーを使い蒸気を当てる(しわを伸ばしたり汗抜きの効果)
- アイロンを当てる(クリースラインを復活させる、しわ伸ばし)
クリーニングに出さない代わりに適切なケアは行いましょう。
冒頭で述べたブラッシングに加え、スチーマー、アイロンでのケアもぜひ行っていただきたいです。
ブラッシングは出来れば毎日数分だけでも行って欲しいですが、スチーマーやアイロンは時間がある時で十分です。しわが気になる場合や2週に1回くらいで十分です。
まとめ|日々のケアが“清潔感”と“信頼感”につながる
スーツはただの衣類ではなく、あなたの印象を左右する「信頼のツール」。
日々のブラッシング、正しい保管、適切なクリーニング頻度を意識するだけで、見た目の鮮度も、着心地も、長持ち度も格段にアップします。
初心者の方も、まずは「着たらブラシをかける」から始めてみてください。
小さな習慣が、大きな差を生みます。。
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