はじめに:裏地って何?なぜ選び方が重要なのか

スーツの裏地とはどの部分を指すかご存知でしょうか。
裏地とはジャケットの内側の部分の生地を指します。(英語でLining:ライニング)
画像のジャケットの内側の緑の部分です。
裏地は普段見えないところですが、着心地に影響する部分なので意外と重要です。
オーダースーツ店でスーツを仕立てる場合、恐らくほとんどのお店で裏地の張り方が選べます。
「裏地の張り方」と聞くと慣れない方はよく分からないかもしれませんが、今回の記事を最後まで読めばしっかり理解できます。
今回は裏地の張り方3種類の違いとおススメのシチュエーションについて解説します。
①総裏(そううら)

総裏とは字の通り、ジャケット内側部分の全てに裏地を張った仕様です。(フルライニングと言う事もあります)
裏地の仕様としては最も一般的な仕様で耐久性に長けている事も特徴です。
総裏はこんな場合におすすめ!

総裏仕様は秋冬向けのスーツや、秋冬春くらいまで3シーズンの着用を想定したスーツにおススメです。

また、裏地を全面張る事(総裏)は汗を表地に伝えにくくする為のガードの役割もあります。
よって総裏は汗をかきやすい方や、スーツの耐久性を優先的に考えたい方にもおススメです。(暑くなりますが・・・)
快適性を優先させる方は後述の仕様がおすすめです。
②背抜き(せぬき)

背抜きとは、内側の裏地を上半分のみ張った仕様です。(ハーフライニングと呼ぶ事もあります)
②背抜きは①総裏と比べて通気性に長けている事が特徴です。
背抜きはこんな場合におすすめ!
通気性に長けている為、春夏秋の3シーズンを想定したスーツにおススメです。
暑がりの方は冬物の場合でも背抜きを選ばれる方もいらっしゃいます。
③半裏(はんうら)

半裏とは裏地を背中の上部(肩甲骨付近)のみ張った仕様です。(クォーターライニングと言う事もあります)
今回紹介する3種類の中で最も軽量で通気性に長けた張り方です。
半裏はこんな場合におすすめ!

通気性に長けている為、盛夏用のスーツの裏地の張り方としておススメです。
また、着心地の軽さを求めている方にもおススメです。(肩パット無しのジャケットと相性◎)
裏地におススメの素材:キュプラ
スーツの生地に素材の違いがある様に裏地にも素材の違いがあります。
ポリエステル、レーヨン、キュプラが近年、裏地として使われる主な素材です。
その中でも私はキュプラと呼ばれる素材の裏地をお勧めします。
キュプラとは

UnsplashのTrisha Downingが撮影した写真
キュプラとはコットンの種子の産毛を原料に作られたものです。
摩擦に強い耐久性を持ちながら、手触りも滑らかなタッチで見た目の高級感もあり、更にしわにもなりにくいです。
高級素材シルクの代替品的な立ち位置であったレーヨンの弱点(摩擦に弱い)をクリアした素材として、キュプラは高級かつ実用的な素材として人気があります。
まとめ
裏地は見えないけれど「快適性・耐久性・デザイン性」を左右する重要な要素です。

スーツを着用する 季節・シチュエーション・好み に応じて、裏地の張り方と素材を選ぶことで、見えない部分から快適さとスタイルを支えることができます。オーダーや購入の際には、ぜひ裏地にも目を向けてみてください。
裏地の素材や張り方にこだわるなら、メンテナンスも大切です。
スーツ専用の宅配クリーニングサービスはこちら☟☟
関連記事
スーツを長持ちさせる為に大事だと感じた事を経験を元に記事にしました。☟☟
スーツの素材王道素材「ウール」についてご存知ですか?知らない方は是非☟☟


コメント