はじめに
今回もスラックスのデザインについてです。
突然ですがスラックスの裾に種類がある事はご存知でしょうか。
まだスーツに馴染みのない方は「裾に種類?どういう事?」と感じている方も多いと思います。
今回はスーツの裾口の種類について、与える印象やおすすめのシチュエーションの視点でお伝えします!
スラックスの裾口の種類
シングル

シングルの裾とはこの状態です。
スラックスの裾としては最もシンプルな状態で一番馴染み深い見た目だと思います。
「え?これ以外にあるの?」と感じる方も多いはずです。
そのくらいスーツのスラックスとしては定番な裾口のデザインです。
結婚式に出席する場合のスーツや就活のスーツはシングルの方がふさわしいです。
ビジネスシーンは必ずしもシングルである必要はありませんが、無難なスーツを着たい方はシングルにしておくと間違いなしです!

上から見た画像で分かりにくいかもしれませんが、すっきりした印象を与える事にこだわりたい方にもシングルはおススメです。
ダブル

画像の様に裾を折り返している状態をダブルと言います。
前述のシングルに比べるとダブルの裾にしている方は少数派な印象です。
身の回りのスーツこだわり派の方はこのダブルにしているかもしれません。
クラシカルな印象をつけたい方や重厚感がある印象をつけたい方は是非試していただきたいです!

私が持っているほとんどのスーツの裾はこのダブル仕様です。
スーツ初心者でも「分かっている感」を手軽に与えやすいですが、結婚式などのフォーマルな場には向かない為、折角のお洒落の場ですがお気を付けください。
稀に裾口がシングルの状態を丈が長いからか、セルフアレンジで折り曲げて履いている人を見かけますが、やはりダブルとは全然見た目が違いますのでやめましょう!
モーニング

前述の種類に比べ一般的ではありませんが、こちらもご紹介しておきます。
モーニングと呼ばれる裾です。(いい感じの素材が準備出来ず、手書きですみません・・・)
モーニングは裾口を横から見た際に前側と後ろ側で長さが違う事が特徴です。
本来は礼装のモーニング用のスラックスに用いられる仕様で、あまり一般的ではありません。
特徴としては裾の前側が短い事によって、生地が靴の甲に当たりしわが入る事を極力抑えてくれます。
パンツの股下を長めで履きたいけど、正面からのしわ感を最低限にすっきりさを保ちたい方にお勧めです。
ちなみに裾口がモーニング仕様の場合は裾は折り返しなしのシングル仕様が一般的です。
ちなみに礼装としての「モーニング」は卒業式の校長先生や結婚式でお父さんなどが着るあの装いの事です。男性の礼装として格式が高く、日常生活で着る事はまずありませんが、いつか着る立場になった際に大人の装いとして知っておくといいと思います。
まとめ
一般的なシングルとダブルについてまとめました。(モーニングはあまり一般的ではないため割愛しました)


おまけ:映画「秋刀魚の味」について
ここからは余談です。
モーニングの事を考えると、小津安二郎監督の「秋刀魚の味」という映画を思い出しました。
”日本のお父さん”として名高い、笠智衆(りゅうちしゅう)さんという俳優が演じる平山という男が主役で、一人娘を嫁がせた父親の哀愁や孤独を描いた映画です。
軽快な音楽と昭和の東京の暮らしの雰囲気がとても印象的で、好きな映画の一つです。
映画の中で主人公が、娘の門出を祝福した帰りにモーニングを着たまま、いつものバーのカウンターで一人ぽつんとウイスキーを飲むシーンがあります。
主人公の佇まいがなんとも言えない複雑な感情を漂わせて印象的な映画でした。
「秋刀魚の味」おすすめです!ちなみに秋刀魚は一匹も出てきません!
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