これまでスーツを始めて買う方へ向けて記事を書いてまいりました。
スーツ初心者向けの記事はこちらから☞これからスーツを「始める」方向け
今回は適正なサイズの目安についてです。
今回はジャケット編、次回パンツ、ベスト編の二部構成でお届けします。
はじめに
スーツを着るうえで最も大切なのが「サイズ感」。特にジャケットは、体のラインを美しく見せる構築的な服なので、サイズが合っていないと一気にだらしない印象になってしまいます。
初心者の方でも、いくつかのポイントを押さえるだけで、見た目の印象がグッと良くなります。今回は、ジャケットのサイズ感をチェックするための基本ポイントを、フィッター目線でわかりやすく解説します。
ジャケットのサイズ感4つのチェックポイント
①肩幅|肩先がジャケットにきれいに収まっているか

*ジャケットの肩幅の参考画像です
肩については画像の様に自分の体の肩先がジャケットの肩にきれいに収まっているか確認ください。
体の肩がジャケットの肩に当たって出っ張っているようでしたら、体に対して小さいサインです。
逆にジャケットの肩の余りが大きく、落ちている様でしたらサイズが大きすぎるサインです。
画像の状態はジャケットの肩と体の肩の相性が良くハマりがいい例です。
実際にはサイズが適正でも相性によって見た目が異なるかもしれません。
お店で試着する際は肩のハマりを確認する事が「そのお店のジャケットが自分のに体に対して相性がいいのか」一つの判断基準になります。
②袖の長さ|シャツが1cmほど見えているか
袖はシャツが1㎝程見える長さになっているか確認しましょう。

*ジャケットの袖の長さの参考画像です
これはご存知の方も多いかもしれません。
ですが一つ確認しておきたい事があります。
普段着ているシャツの袖の長さは適正ですか?
そもそも普段着ているシャツの袖が長いとジャケットの袖の長さも長く合わせる必要があり、
普段着ているシャツの袖が短いとジャケットの袖の長さも短くする必要があります。
シャツの袖について自信がない方はスーツを購入する際にセットで購入する事をお勧めします。
デスクワークをする際やつり革を持つ動作が多い方はその動作をする際に短く感じないか要チェック!
一般的な正しいサイズ≠全員にしっくりくるサイズではない事もよくあります。店員さんと要相談です。
③ジャケットの着丈|ヒップが少し覗くくらいか
ジャケットの着丈はヒップがやや覗くくらいが目安です。

*ジャケットの着丈の参考画像です
短すぎると軽い印象になりがちで、長すぎると野暮ったい印象になります。
着丈が1㎝変わるだけでガラッと印象が変わります。
よりすっきりとした印象にしたい場合は画像より少し短くても◎
全体的にゆったりサイズが好みの場合は画像より少し長くなる事もあります。
画像の長さは昨今の極めて平均的な長さな印象です。
④ウエスト|ボタンの左右に引っ張りがないか
ウエストはジャケットのフロントボタンを留めた状態で、左右に引っ張る様なシワが入っていないか見てみてください。

*ジャケットウエストの参考画像です
画像の様にジャケットのフロントボタン部分に引っ張るしわが入る場合はサイズが足りていないサインです。
フロントボタンの内側に手のひらが入るくらいのゆとりが目安です。
場合によって「こぶし1個分のゆとり」が必要と言われることもありますが、現在の標準的なサイズを目指す場合は「手のひら1枚分」で十分だと考えています。
フロントボタンついては上のボタンのみ留めればOKです。
下のボタンは留める必要がないボタンです。
スーツを着る上でのマナーとして覚えておきましょう。

ここでひとつ大切なことをお伝えしたいのは、これらのサイズ感がすべての人に当てはまるわけではないということ。
サイズ感は、体型だけでなく、時代の流れやトレンドにも影響されます。私自身、幅広い世代のお客様をフィッティングしてきた中で、「今っぽさ」と「その人らしさ」のバランスが大切だと感じています。
たとえば、少しゆとりのあるクラシックな着こなしが好まれる時代もあれば、タイトでシャープなシルエットが主流になる時代もあります。だからこそ、「自分に合ったサイズ感」を見つけることが、スーツを着こなす第一歩なのです。
まとめ
ジャケットのサイズ感は、肩・袖・着丈・ウエストの4つを意識するだけで、初心者でも大きな失敗を防ぐことができます。
ただし、サイズ感に“正解”はありません。鏡の前で正面・横・後ろをチェックしながら、「自分らしく見えるか」「動きやすいか」を基準に選ぶことが大切です。
迷ったら、店舗で試着してフィッターに相談するのもおすすめです。あなたにぴったりの1着が、きっと見つかりますよ。
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