スーツはただ着るだけではなく、“振る舞い”や“所作”まで含めて完成するもの。
店頭でも「スーツってどう着ればいいんですか?」という質問をよくいただきます。
今回は、初心者がつまずきやすい着こなしマナーと、こなれ感を演出するちょっとしたテクニックをご紹介します。

私も初めてスーツを着始めたころは何もわかりませんでした。少しずつ学んでいく事でスーツを着る自信が身について来た感覚を覚えています。マナーと聞くと堅苦しく感じるかもしれませんが、リラックスしてご覧ください。
ジャケットのボタンマナー──アンボタンルールを知ろう

*フロントボタンの参考画像です。
最近の一般的なスーツのジャケットはフロントボタンが2つのパターンが多いです。
その場合ジャケットのボタンは上のボタンのみ留めればOK。
一番下のボタンは留めないようにしましょう。
下のボタンを留めないのは「アンボタンマナー」と呼ばれ、英国王室の伝統が由来とも言われています。
ちなみに、着席する際は上のボタンを外しながら座ると非常にスマートです。
ジャケットの“仕付け糸”と“タグ”は外しましょう
背中のベント(切れ込み)や肩の部分に付いている白い糸は「仕付け糸」といいます。形を保つために購入する人の手に渡るまでつけたままの場合があります。着用前に必ず切りましょう。
また、スーツによって袖についているタグは品質を証明するためのものです。これも着用前に必ず外しましょう。
小さいハサミなどを使って丁寧に取り除いてください。
靴下の長さにも注意!すね毛が見えるのはNG
- スーツに合わせる靴下は、座ったときにすねが見えない長さが鉄則。
- 特にビジネスシーンでは、短い靴下はだらしない印象に。
膝下まである靴下を選ぶと安心です。
たまにスポーツブランドのロゴが入ったソックスを履いている人を見かけますがスーツを着るときはやめましょう!
ポケットに物を入れない
ポケットに財布やスマホを入れて、ポケットがパンパンになっていませんか。
- ジャケットやスラックスのポケットがパンパンだと、型崩れや生地の傷みの原因になります。
- スーツのポケットは「飾り」としての意味合いが強く、なるべく使わないのが理想。
どうしても使う場合は、ハンカチや名刺入れなど最小限の軽いものだけにしましょう。
スーツのポケットをなるべく使わない事は、過去に既述したスーツを長持ちさせる事にも繋がります。
よろしければこちらも参考に!→夏のスラックス、気づかぬ内に消耗していませんか?
スラックスのクリースラインは“清潔感”の象徴

*スラックスのしわの参考画像です。
これは私個人的にはスーツを着る上で一番大切にしてほしいポイントです。
スーツのスラックス、しわしわのまま履いていませんか?
クリースライン(パンツの中央の折り目)がしっかり入っているスラックスとそうでないスラックスは印象が段違いです。
- クリースラインが消えて、膝裏がしわしわになっていると、だらしない印象に。
- クリースラインを復活させる為にクリーニングに出す必要はありません。自宅でアイロンを当てる習慣をつければ十分です。(1本5分程度)
クリースラインはスチームアイロンを使えば、簡単に復活できます。
アイロンの当て方は少しコツがいりますが、慣れれば簡単ですよ。

アイロンもコツを覚えれば簡単です。自分だけかもしれませんがパンツを充てる時間は無心で自分に向き合う時間です。筋トレに近いものがあるなと感じております。
おまけ スーツのこなれ感を出すテクニック
これからお伝えする事はスーツを着る上で必ずしも必要ではないと考えています。
上記お伝えしたポイントも踏まえて、まだ新しい習慣を取り入れる余裕がある方は是非お試しください。
ネクタイの“ディンプル”で印象アップ

*ネクタイのディンプルを表現した参考画像です。
ネクタイの結び目にあるくぼみをディンプルと言います。
これがあるとネクタイの結び目に立体感が出来てエレガントな雰囲気に。
ポケットチーフで“余裕のあるおしゃれ”を演出
- スーツの胸ポケットに挿すポケットチーフはマストではないがあると嬉しいアイテム
- 白のリネンやコットンなら、どんなスーツにも合わせやすく、清潔感も演出できます。
上の参考画像の様に最初は白いリネンのチーフを四角く入れる見せ方が簡単でスタンダードです。
TVフォールドという入れ方です。
チーフの色合わせや、入れ方はいずれ記事にしたいと思います。

街中でネクタイに綺麗にディンプルが入っていて胸ポケットにチーフを挿している人がいたら「おっスーツ好きな人なんだな」と思っています。
そんな方が増える様にこれからも発信を頑張りたいと思います。
まとめ:スーツは“着こなし”で差がつく
スーツのマナーは、細かいようでいて印象に大きく影響します。
まずは「ボタンの扱い」「仕付け糸」「ポケットの使い方」など、基本を押さえること。
そして、ディンプルやチーフなどの“こなれ技”を取り入れることで、ワンランク上の着こなしが実現します。
スーツは“着る”だけでなく、“魅せる”もの。
今日から、ひとつずつ意識してみませんか?
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